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【day17 スライゴ 静かな入り江ふたたび】アイルランド旅行記


今日のベンバルベン
今日のベンバルベン
2025.7.17
今朝のモニーゴールドは、朝から横殴りの雨。
雨の音を聞きながら、サンルームで簡単に朝ごはんを済ましていると、母屋の厨房からご主人のマシューさんが出てきて、裏庭の家庭菜園から、ルッコラらしき葉っぱをいくつかつまんで、厨房に戻っていく姿が見えた。
ここ、宿泊しているB&Bローワンビルロッジは、ベンバルベン(と大通り)に面しているところに大きなダイニングルームがあって、宿泊者はそこで宿が出してくれる朝食をとる。
私たちは素泊まりでお願いしていたので、食事は宿の一番奥まったところにあるサンルームでとっていた。
ついでに、私たちの部屋は、サンルーム横のファミリールーム。赤ん坊連れということではじの部屋にしてくれたのか、使い勝手が良くありがたい。
他のお客さんは、宿のダイニングで朝食をとるし、部屋にも立派なコーヒーセットが置いてあるし、夕食はレストランに行くのか、滞在中ほとんどの人がサンルームを使っている気配はなかった。
小さな中庭と、家庭菜園
小さな中庭と、家庭菜園
部屋の扉を開けるとすぐに素敵なサンルーム
部屋の扉を開けるとすぐに素敵なサンルーム
朝食後、この雨の中だけれど今日はどこに行ってみよう?スライゴ中心地に行こうか?それとも教えてもらったマラグモアビーチに行こうか?と、子供と夫に提案するも
「雨だし、宿でのんびりすれば」の返事…!!

この旅の間に子供達は夫から、トランプの「大貧民」を教えてもらったのだが、それが猛烈に面白いらしい。暇な時間があれば、3人で大貧民をして盛り上がっているのである。

この日の午前中も、雨の音を聴きながら、宿のふかふかのベッドに寝転んで、子供たちと夫は嬉々として大貧民をやっていた。
いや、気持ちはわかる。ここのベッドは、今までにないほどふかふかで硬さもばっちりだし、シーツもしっとりしつつ張りがあってとても気持ちがいいし、雨の音をききながら、いつまでもここでごろごろしていたい気持ちはわかる。
わかるけれども……!!!!

引っ張って連れ出すわけにもいかないので、ぶつぶつ言いながら、部屋の片付けなどしていると

廊下から、パトリシアさんが別のお客さんを
サンルームに案内している声が聞こえてきた。
多分、私たちの部屋のことを指しているのだろう。
「この部屋には、日本人の素敵な家族が泊まっているのよ。可愛い子供達と赤ちゃんがいるわよ」
「そして彼らときたらね……NO CARなの!」
お客さんとパトリシアさん、爆笑。
わぉ、ネタになっているじゃないか。

ネタはそれだけではなかった。
サンルームを案内しているパトリシアさん、
(念のため申し上げておくが、盗み聞きしていたわけではない。彼女の声がとても響くのだ)
冷蔵庫の説明をしながら
「これは、宿泊者共用の冷蔵庫よ。好きに使ってください。あ、そうそう、自分の持ち込んだ食べ物にラベルを貼る必要は無いからね!
言いながら、パトリシアさんは笑う。

そう。それは、初日の夕方のこと。
サンルームの説明の時に、冷蔵庫についての説明があったとき、夫が真面目な顔で
「自分たちの食べ物には、名前と出発日のラベルを貼ったほうがいいですか?」と訊いたのだ。
と言うのも、ゴールウェイで一度、
ホステル指定のラベルを貼り忘れて、目の前で食材をスタッフの人に捨てられてしまったことがあるからだ。

それを聞くと、パトリシアさんは大笑いして
「誰も他の人の食べ物をとって行ったりしないわよ。ラベルを貼る必要なんてないわ!」
まるで、ここをホステルと一緒にしないでちょうだい、と言わんばかりだった。

多分、そのエピソードを元にしているんだろう。
サンルームを案内されていたお客さんが、それを聞いて、ウケたかどうかはわからないが。


お宿の廊下 一番奥の左が我々のお部屋 壁にはベンバルベンやスライゴの絵が飾ってある
お宿の廊下 一番奥の左が我々のお部屋 壁にはベンバルベンやスライゴの絵が飾ってある
昼過ぎになって、ようやく雨が上がった。
これからスライゴ中心地に行ってもトンボ帰りになりそうだし、マラグモアビーチ行きのバスは、ちょうど良い時間のがない。そう私がぶつぶついっていると

子供達、
「昨日の海にいきたい!」と。
途中でブラックベリーを摘んで、海辺で貝拾いするんだ〜と。

そうか、今日はそういういちにちか。
おやつだけリュックサックにつめて、
午後の散歩に出かけた。
ブラックベリー
ブラックベリー
雨上がりの曇っていてどんよりとした雰囲気もまた良い。日本と同じで雨上がりには独特の湿気を感じる。

入り江に到着
入り江に到着
入り江にたたずむ娘
入り江にたたずむ娘
海を見ながら貝拾いをしたり、のんびり過ごしていると

バシャバシャバシャと音を立てて
馬に乗った一行が現れた。
浅瀬のところを、馬に乗って歩いて行く。
どうやら近くで、そういうアクティビティができるらしい。
大人から、小学校高学年位の子までいた。
異世界の入り口のような静かな入り江
そしてそこを通ってゆく、馬に乗ったご一行。
物語の中の景色のようだった。

そんなことをしているうちに、天気がどんどん晴れてきた。
さすが、アイリッシュ・ウェザー。
入江の水の色が、灰色から濃いカーキ、カーキから緑、そして群青…と、どんどん変わっていく。
マジカル!と叫びたくなるような色の変化に目を奪われる。
大きな雲がまるで生き物のように流れていく
大きな雲がまるで生き物のように流れていく
二日間を過ごした入り江は
本当に静かで、まるでプライベートビーチだった。
家族みんなで、何度も振り返りながら、後ろ髪をひかれながらお別れ。

我々が帰る頃、おじさんが車に乗って現れ、釣りを始めた。ここでは何が釣れるのだろう。
ブラックベリー いつのまにか大のお気に入りに
ブラックベリー いつのまにか大のお気に入りに
帰り道、満足しながら、
子供たちは、ブラックベリーをつまみながら歩いていると
石垣の向こうの農場で作業をしていたご夫婦が声をかけてくれた。
地元の人しか通らないこの道を、日本人の我々が家族全員で歩いているから驚いたようだった。しかもーー
「今は、雨、降っていないよ?」と、おじさん。
われわれは、暴風のためにレインコートを羽織っていたからだ。ここに住んでいる人たちからすれば、真夏のこの道を、雨合羽を着て歩いていることがなにより、へんてこなのかもしれない。

「ここが畑で、家はちょっと離れたところにあるの」と、おばさん。
ところどころ強いなまりの入った英語で、話しかけてくれた。素敵なご夫婦だった。
お宿の窓辺に並べた貝殻
お宿の窓辺に並べた貝殻
◎おまけ
今夜の夕食は、SuperValuのチルドライスと、オイルサーディンとレタスのサラダ。オレンジ。
サンルームには、自由に使える数種類のお皿やカトラリー、電子レンジがあるので、フル活用させてもらう。

旅も後半に入り、私の「ひとつでも多くアイルランドの色んな場所に行ってみたい!いかなきゃ!」の気持ちは大きくなるのだが
家族はのんびりしたい、なんなら
「お母さんはアイルランドに住みに来たんでしょ。じゃ、のんびりしようよー」と声をかけられて、でも、のんびり一緒に大貧民する気にはなれなくて……!

空回る心と戦ったり、
ブラックベリーを摘んでキャッキャ言っている娘を見ながら散歩して
家族と旅するってこういうのがいいよね、と感じたり、
今日はそのバランスを学んだ日だった。
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2025年7月に、家族5人で一ヶ月
アイルランドを旅した記録です。
まとめて読む→旅日記