2025.7.10
ゴールウェイ出発の朝。
子供たちは、ケイトちゃん出てきてくれないかな~、と朝からソワソワ。
朝食を食べ終えたころに、向かいのアパートからケイトちゃんと弟君が出てきてくれたので、とてもとても喜んで、宿の中庭で遊ぶ。
お別れのときには、昨晩二人が折り紙で折った、鶴やお花やいろいろを渡して。
ケイトちゃんがバタバタと家に戻っていったのでなんだろうと思って見ていると、すぐに出てきて、お返しに、と、スニッカーズのチョコレートバーをくれた。
彼女たちにとってゴールウェイで一番楽しかったのは、ケイトちゃんと遊んだ時間だったかもしれない。
ホステルの受付のお姉さんにも折り紙を渡してお別れ。とっても仕事の出来る、感じの良いお姉さんだった。ペリドットのような淡い緑色の石が光るグラダリングをしていて、見入ってしまった。
受付の彼女が、チェックアウト後も荷物を預かれるわよ、と快く言ってくれたので
ありがたく預かってもらい
最後のゴールウェイ散歩と、買い出しに出かけた。
今日も一面の青空、道には多くの車が行き交っている。

ゴールウェイ大聖堂にやってきた。
入口には白い修道服を着た、司祭様、と呼びかけたくなるようなおじいさんが座っていた。
とても広い教会。まだ朝の気配を残した陽射しがステンドグラスに当たって光り、足元に七色の模様ができていた。
壁にはイエス・キリストが磔になった姿を描いた大きな壁画があり、子供たちはこういう宗教画を見るのが初めてだったので、驚いて「てのひら痛いでしょ…」と絶句していた。

木でできた長椅子が何列も並んでいる。よく見ると、ちらほらと、ひとりで、静かに祈りにきているひとたちの姿があった。
目を瞑り、手を組んで、祈る。
なんとなく、みなさん毎日のように通って来ていらっしゃるんだろうなという感じがした。
教会を出た後、住宅街をプラプラと歩いていると、紫陽花が咲いているのを見つけた。
日本と同様、家の軒先に紫陽花を植えるんだなぁ。
向かうは、今日もリデル。
今日から行くドゥーリンは四泊。一軒家のエアビーだ。近くにはスーパーマーケットは全くないとのこと。つまり4日分の食材をここで買い出し、旅の荷物と共に持ち運ばなければならない。
昨晩作った買い出しリストをもとに、買い物をしていく。このリデルは、買い物しやすかったせいか、子供たちも「この食べ物はこの売り場だよ」と教えてくれたりした。
リデル名物?!の、ベーカリーコーナーで、大きな全粒粉カンパーニュ、ソーセージコーナーで念願のホワイトプディングとブラックプディングを買う。あと、生姜も見つけた。
リデルのロゴの入った大きな保冷バックがあったので、そちらを購入(思い出にもなるのでいい)。何とか全部中に入って、ほっとした。
宿からスーツケースを受け取り、いざ、ドゥーリン行きのバスに乗り込み、出発。



海と、一面の緑に石の生垣、の風景が眼前に広がってきた。
長年イメージしてきた
ザ・アイルランドの田舎道!という感じ。
バスは揺れながら細い道を走っていく。
ワクワクがとまらない。
しかし…私の止まらないワクワクに反して、抱っこしている末っ子の様子があやしい。。
早々飽きてしまい、むずかっている。授乳し(もうどこであろうと授乳してしまう)、それでもぐずぐずしているので、日本から持参した赤ちゃん煎餅を小さくちぎって食べさせる。
大泣きし始める前に着いてくれ〜、煎餅が終わる前に着いてくれ〜。と祈るようない気持ちで、揺れるバスの後部座席から運転席を見つめる。2時間ほどで到着。手持ちの赤ちゃん煎餅が終わるギリギリのところだった。よかった…。

そこから今日の宿である建物まで、徒歩数分かと予想していたのだが
結構な坂道、しかも歩道がない。そして車はかなり飛ばしてくる。怖い。しかも歩道側の石の生垣にはノイバラが茂っていて、近づきすぎると服や手を切りそう…!
車とトゲに慎重に、家族一列で右側通行で宿を目指す。シュールだ。
15分ほど歩いてようやく宿の看板を見つけた。
入ってすぐの大きな建物の扉が少し開いていて、イケてる感じの若いお兄ちゃんが赤ちゃんを抱っこしてくつろいでいた。移動式のメリーが床に置かれていて、奥にはビリヤード台が見える。イケてる感じの音楽がかかっている。
「オーナーのシャロンさん?」と聞くと
「自分も宿泊者だ」という。
「オーナーさんはどこか知ってますか?」と尋ねると「この奥にもエアビーの家が数軒あるから、どれが泊まる建物か電話をかけてきいてごらんよ」とアドバイスしてくれる。
…来た。で、で、電話…!
英語のリスニングをする時に、相手の口元の動きを見てようやく理解している(いや、旅の間、細かいニュアンスが聞き取れないことも何度かあった)レベルの私にとって、耳だけで聞き取る「電話」はハードルが高く感じていた。この旅でまだ一度も誰とも英語で会話していない。
慌ててエアビーのメッセンジャーから、ダメ元で
「早めに着いて、もう宿の前にいるんだけれど、対応してもらえませんか?」とメッセージを入れてみるも、既読にならない。
そんなモゴモゴオドオドしている私を無言で見ていたイケてる感じの若いお兄ちゃん。かわいい女の赤ちゃんを片腕で抱っこし直すと、ポケットからスマートフォンを出して、電話を始めた。
そして、電話をしながら、私の方を見て
「この奥の棟の、今ちょうどハウスクリーニングに入っている場所がそうだと言っているから、中にいるハウスクリーニングの人に詳しく聞いてみて」
と言って、その奥の棟まで案内してくれた。電話に躊躇する私の代わりに電話してくれたのだ。イケてるお兄ちゃん…!ありがとう。情けなくてごめんなさい。
無事に今日からの宿に入ると、中には
手作りのスコーンとジャムが用意してあった。スコーンはまだほんのりあたたかい。ハウスクリーニングのおばちゃんが温め直してくれたのかもしれない。
スパイスの入った苺ジャムと一緒にいただく。
少しして、オーナーのシャロンさんが大型犬を連れて、ミルクを持って挨拶に来てくれた。
無事に到着できて安堵。ドゥーリンではのんびりしよう。

